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競争が無い市場

 

独立やビジネスアイディアを考えるときに、“競合”を考えることがあります。

理想は、「おいしい市場で競争相手が無く独占できる」でしょうが、そんな市場はあるのでしょうか?

大手と中小が住み分けられていた時代が終わり、ニッチ市場にさえ大手が入り込んでくるといった現在の状況で、どうしたら継続的な経営が可能になるのでしょうか?

 

競争が無いというのは一見良さそうに見えるのですが、実は難しい市場です。

 

[note]競争が無い = “ニーズがない” “誰も出来なかった” “気づいていない”[/note]

「誰もやっていないから、ナイスアイディアだ!」と思っても、それは単にニーズが無いから誰もやっていなかったということ。これだけ多くの起業家が知恵を出しアイディアを絞っている時代に、ポツンと誰も気づかないアイディアが自分だけに沸くというのは、そうそうあるものではありません。

また素晴らしいアイディアであっても、それがキャッシュポイントや利益につながらないようなアイディアであれば、長続きしません。浸透に異常に時間がかかったり、高コスト、高技術など利益を上げにくければ、ビジネスとしても成立しません。限られた資本の中でビジネスを成立させる必要があるわけですから、「お金があればできる」といった部類も無理な話です。もちろんそのような話に投資する物好きはいないわけです。

あまりにニッチな市場では、採算ベースに乗せることが難しいということから、競争相手がいないということなのかもしれませんね。

また「誰も出来なかったから競争が無い」といったパターンは、それだけハードルが高いということ。チャレンジした人たちはいるでしょうが、誰も残れないぐらいのハードルにチャレンジする勇気はあるか?
私はちょっと遠慮しておきたいところです。

 

“競争が無い=気づいていない”

には可能性があります。

気づいていないには2種類あります。

[tip]
「ユーザーが価値に気づいていない(知らない)」

「提供者側が気づいていない」[/tip]

「ユーザーが価値に気づいていない」ケースは、アップルの創業者スティーブジョブス氏が行った「マーケティングリサーチをしない」手法が有名です。
マーケティングで得られるニーズは現在あるものニーズを汲み出すことで、見たことも無い価値に対しては、マーケティングリサーチには反映されません。

■消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。

■製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ

これらの手法は、新に価値を生み出す際には参考になる手法でしょうが、生み出すまでに膨大な下準備と潜在的なニーズを掴みながら、そこに新しい価値をピンポイントで提供できるアイディアが必要となり、かなりハードルが高い手法でしょう。

もう一つの「提供者側が気づいていない」ケースについては、比較的参入しやすい方法です。
 
ニーズをゼロから生み出すのではなく、現在あるニーズ(売れている市場)がフィールドになるわけですから、まずは潜在的な顧客いるということ。

あとは、現存するサービスから、改善策、新しいアイディア、バリエーションなどを考えることで参入可能となります。

ラーメン屋さんが集まっているエリアやラブホテル街、飲食街や飲み屋街など、店が集まることによって、「そこに行けば何かある」といった期待が生じ、人が集まってくるものです。

競合相手がいるということを、どのように捉えるか。

競合がいないということは、0か100かの勝負なのかもしれません。
当たればデカイが、難易度が高い勝負と言えるでしょう。

競合がいることで、「取り分が減る」と考えがちですが、小さな市場を掘り起こすよりも、大きな市場を分け合ったほうが大きな利益が出る可能性もあるものです。

競合会社の戦略、規模、サービス、広告など、相手の会社が気になって仕方なく、「潰れればいいのに!」と思うことも多いのですが、マネできるところはマネしたり、戦略を検討したりと、自分を成長させてくれているのも事実なんですよね。
 

競合があることによって、大きな市場が活性化され、話題性があり、ユーザーへの教育やPRが起こる市場の方が、実は競合がいない市場よりも良い市場なのかもしれませんね。

筆者:中島

 

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